今までに2種類の株式の値動きの相関性を調べたいと思ったことはありませんか?
恐らく相関性について調べている方は、保有金融資産のリスク分散を目的としていると私は想像します。
本記事では、2種類の株の相関係数を調べることのできる、あるウェブサイトのツールを紹介し、それ実際に用いながら解説していきます。
そもそも株の相関性とは
株の相関性とは、どれだけ比較対象の株式と値動きが合っているかを示す数値で、ー1〜+1で表されます。
もし1の場合、比較した2種類の株価の値動きは全く同じで、片方が2倍になればもう片方にも2倍になるといった具合になり、-1の場合は反対に真逆の動きをする意味合いがあります。
では次の章からは実際に相関係数を調べる方法を解説していきます。
相関係数の調べ方
まずはPortfolio Visualizerへアクセスします。
すると以下のような画面へ移行するので、各必要なデータを埋めていきます。

- Tickers:株式のティッカーを直接打ち込むか、右の虫眼鏡から入力
- Start Date & End Date:調べたい期間を入力
- Correlation Basis:データのサンプルを日別(Daily)、月別(Monthly)、年別(Annual)の内、好みで選択
- Rolling Correlation:移動平均をどのスパンで取りたいか
私はCorrelation BasisとRolling CorrelationはそれぞれMonthlyと24 Monthsを選択してます。
銘柄を3つ以上選択し、同時にそれぞれの相関係数を調べることもできます。しかし選択した銘柄の全てを同時比較したチャートは見ることはできません。
全てのデータを選択し終えたら、下にある青いボタンのView Correlationをクリックすることで、相関係数の値の推移をチャートで確認することができます。
調べ方は以上です。
次の章からは実際に2種類の株式を比較しながら、値を確認していきます。
VOOとVTWOでお試し比較してみる
本記事では例として、VOOとVTWOの2種類のETFの相関係数とそのチャートを調べていきます。
VOOはS&P500という大型株を中心とした米国の代表的な指数の一つで、VTWOは小型株指数のラッセル2000の値動きと連動したETFとなっています。
下の画像は既に上で解説したようにデータを入力したものです。

- 比較対象はVOOとVTWO
- 期間は2011/3/1から2021/3/31までの10年間
- その他データは既に挙げた通りの数値で設定
今回はこの条件で検索をかけていきます。
検索後は以下のような画面が下に表示されます。

注目すべきは赤枠で囲んである箇所です。
Tickerの右に表示されている0.89という数値は比較対象との相関係数を表しており、一番右の13.76%は年平均のリターンを示しています。
今回のケースでは、VOOとVTWOの相関係数が0.89だということが分かったので、これら二種のETFの相関性は高いと言えるでしょう。
つまりVOOとVTWOの両者に分散投資しても分散効果は現状低めということになります。
ですが、株式市場の状況により相関性は大きく異なることがあります。
次にそれを確認するため、チャートで相関係数の推移をみていきましょう。
相関係数の推移をチャートで調べる方法
相関係数をチャートで調べる方法はとても簡単で、タブのRolling Correlationsをクリックするだけです。

クリック後は以下のような両者の相関係数の推移を表したグラフが確認できます。

上のグラフを見ていただければお分かりの通り、2019年の1月以降は両者の相関性は高くなっていますが、2018年の7月には0.6まで落ち込んでいることが分かります。
つまり状況によっては相関性が低くなることもあるため、今回のケースではVOOだけでなくVTWOにも投資することはポートフォリオの分散効果があるとも言えるでしょう。
以上で相関係数の調べ方は終了です。
お疲れ様でした。
まとめ
本記事ではPortfolio Visualizerを用いた相関係数の調べ方と推移の確認方法について解説しました。
最後に補足として、必ずしも株式同士の比較でなくとも、債券や金との相関性も調べることができます。
なので、あなたの気になった金融資産同士で実際に相関係数を調べてみることをお勧めします。
もしあなたが保有資産のリスク分散を目的としているのであれば、本記事で紹介した方法をうまく利用し、分散効果の高い自分だけのポートフォリオを作ってみましょう。
