自分だけのポートフォリオを作るのは簡単なことではないかもしれません。
しかし既に多数の企業に分散投資しているETFを買い付けることによって、個別株を含めたポートフォリオより難易度は格段に下げることができます。
ポートフォリオの組み方は多種多様ではありますが、よくアメリカの著名投資家達がおすすめしている方法は債券を一定の割合組み入れることです。
債券は一般的に株式より低リスクな金融資産だとされ、リスクヘッジとしてポートフォリオに組み込まれることがありますが、リスクを減らしている分、低リターンが見込まれます。
ではあなたのリスクやリターンに応じてどのようなポートフォリオを組むべきなのでしょうか?
本記事ではその内容について掘り下げていきます。
どれくらいリスクを取れるか考える
まずポートフォリオを組む上で検討したいことはどれくらいあなたがリスクを取ることができるかです。
それにより、ポートフォリオを株式だけで組み入れるか、それとも債券などの株式よりローリスクな金融資産を加えるか変わってきます。
一般的に株式はリスクが高い代わりに、リターンも高いとされる金融資産です。
なので、積極的に高リターンを得ていきたいのであれば、100%株式でポートフォリオを組み入れることが一番理想的です。
では、株式、債券それぞれの金融資産はどれほどリターンとリスクが見込まれるのでしょうか?
下図をご覧ください。

上図は縦軸が1970〜2010年の年間リターンを、横軸がリスクの度合いを表したものです。
図を見ると、28%が株式で72%が債券で構成されたポートフォリオが一番リスクが低いことがわかります。
そしてそのポイントから株式の保有率を上げていくほど、リスクとリターンも共に上昇していくことも読み取れます。
まずはこの図を見て、どれくらいあなたがリスクを負えそうなのか検討してみてください。
もしあなたが20代投資家なら投資人生はまだまだ長いので、無理のない資金で、できればハイリスク&ハイリターンの100%株式のポートフォリオで運用していきたいところです。
反対に60代だったり高齢の方は、ある程度資産のボラティリティを下げる為、債券を組み込んだ低リスクな投資を検討した方が良いかもしれません。
債券ETFへの投資はAGGやBNDで可能です。
一緒に見ておきたい各金融資産の過去のパフォーマンス比較
株式へ投資した場合は他の金融資産と比較し、どれくらいの利益を実際にあげることができたのでしょうか?
下のグラフをご覧ください。

このグラフは1802年に1ドル投資した場合、2006年までの205年間でいくらになったかを示しています。
ここで注目すべきなのは株式と債券のリターンの差です。
株式に1ドル投資していた場合は755,163ドルにもなっていますが、債券に投資していた場合は僅か1,083ドルにとどまります。
歴史的な傾向を見る限り、高リターンを望むのであれば、リスクを減らして債券へ投資するより株式へ全投資した方が効率が良いことが上のグラフからも見て取れます。
投資する市場を選定する
ポートフォリオに組み入れる株式の割合と決めた後は、どの市場に投資していきたいかを検討しましょう。
ETFは市場全体に分散投資できる金融商品ですが、その数は数千種類にも上り、種類によって投資する市場やパフォーマンスが全く異なってきます。
以下の図をご覧ください。

- Emerg Mkt Stocks:新興国市場
- US Small-Cap Stocks:小型株
- US Mid-Cap Stocks:中型株
- US Value Stocks:バリュー株
- Dev Mkt Stocks:配当株
- US Large Stocks:大型株
- Junk Bonds:ジャンク債
- Invest-Grade Corp Bonds:債券の格付クラスAAA〜BBB
- 10-yr-Bond:米国債10年
- Cash:現金
上図は縦軸が2003〜2020の年間リターンを、横軸が同期間の株価のボラティリティ(リスクの高さ)を表してたものです。
図を見るとお分かりいただけるように、株式や債券の種類によってリターンもリスクも異なっています。
これらを考慮し、投資する市場の選定をしていきましょう。
例えば、上図より新興国市場は過去の傾向より一番ハイリターンですが、同時に一番リスクの高い投資先です。
なので新興国市場へリスクを全振りせずに、リスクが低めな大型株や小型株のETFにも投資していくことが分散効果があり、より良いポートフォリオを作れると私は考えてます。
市場選定に関しては好みもあるので、あなたが投資したいと思える市場に投資していきましょう。
ETFへ投資する際は必ず経費率を確認するようにしてください。高い経費率のファンドへ投資してしまうと、その分だけ利益が相殺されてしまいます。
特定の市場ではなく、国全体、又は世界中の市場に分散投資したいのであれば、ETFのVTとVTIが最強です。
それぞれ世界中の市場、米国全体の市場をカバーしているので、これらのETFをひたすら買付していけば分散効果もあり投資先に悩むこともなくなるでしょう。
リスク分散度を検討する
最後にリスク分散度について見ていきましょう。
ETFは市場丸ごとへ投資することが可能ですが、市場によってそれぞれリスクやパフォーマンスに偏りがあることが上でお分かりいただけたかと思います。
しかし一部のETFは投資している市場が酷似していたりすることがあり、2種類のETFに分散投資していたとしても分散効果があまり得られていないことがあります。
それを確認するにはETFの相関係数を調べることで解決していきましょう。
相関係数が分かれば、どれほどETFの株価の値動きに相関性があるか調べることができます。
方法については長くなってしまうので、以下の記事で詳しくまとめてあります。

まとめ
最後に本記事の内容を簡単にまとめると以下の3つになります。
- リスク許容度を考える
- 投資する市場の選定
- 分散投資出来ているか相関係数を用いて調べる
まずは自分の年齢や資産などを考えながら、リターンを加味したリスク許容度を検討し、そこから市場の選定といった流れになります。
相関係数の項は、もしあなたが自分のポートフォリオがきちんと分散投資出来ているか不安だと感じているのであれば、一度調べて見てください。
「複数のETFを買付してたのに値動きがほぼ同じであまり意味なかった」
と気づくようなことがあるかもしれません。
最後に、債券投資を検討している方は以下の記事でBNDと債券について解説しているので合わせてご覧ください。

ETFの選定に悩んでいるときはこちら。


米国株ETFの買い方についてはこちら。

本記事が米国ETFでポートフォリオを組む方の参考になれば幸いです。