株の価値を測る財務指標は数知れずと存在します。
その中でもPER(株価収益率)が財務指標の中では一番代表的で、使われる頻度が多いです。
PERは現在の株価をEPS(一株当たり純利益)で割って算出され、その数値より株の割高度を分析することができ、高いほど割高だとされています。

セオリーは単純で、現在の株価が安ければ安いほど、そしてEPS(一株当たり純利益)が高いほどPERは低くなり、割安と判断されます。
しかし、PERが高いか低いかという基準は一体どこから線引きすれば良いのでしょうか?
実はそのラインは曖昧で、20を基準とし、それより上は割高、それより下は割高などとしている方もいますが、問題点として、セクター(業界)や時代によってPERの平均値は変わってくるので、20という数値はあてにならないことが多々あります。
ではどう判断すれば良いのか?
それについて本記事で解説していきます。
同業種のPERを比較する
冒頭でPERの平均値はセクターや時代によって変動すると述べました。
なので、あなたの調べたい銘柄と同業種の企業のPERを比較するのが得策です。
それにあたり、今回は一例としてMorningstarを利用する方法を紹介します。
モーニングスターで競合会社のPERを比較する
まずモーニングスターにアクセスします。
アクセス後は左上の窓枠からあなたの調べたい銘柄を検索します。

今回は試しにアイフォンでお馴染みのAppleで調べていきましょう。
検索後は以下の画面になります。

次のステップとして、タブでStock Analysisを選択し、更にCompetitors(競合会社)を選択します。

そうするとAppleの競合会社のデータがいくつか表示されます。

Appleの場合、グーグルとヒューレット・パッカードが競合会社として表示されました。
右にスクロールすると他の企業も見れます。
次に、表示された画面を下へスクロールしていくと、それぞれの企業のPER(Price/Earning)が確認できます。

それぞれのPERの数値を比較してみると、ヒューレット・パッカードが12.19で、次にアップルの32.67、そしてGoogleの39.10という順になります。
以上より、アップルはGoogleよりは割安で、ヒューレット・パッカードよりは割高と判断されることがわかりました。
このように、同業種の競合会社と比較することで、あなたの分析したい企業の立ち位置を測ることができます。
PERを使う注意点
PERは株価の割安度を調べるのによく使われますが、いくつか注意点がありますのでまとめました。
- EPSがマイナスの時はPERは使えない
- あくまでPERは財務指標の一つであって、短絡的にPERが低いから”買い”とはならない
- PERが低いほど割安でお得に見えるが、低すぎると何らかの問題を抱えている可能性がある為、その場合は株の買付前に財務指標や企業のビジネス内容を掘り下げていき原因を把握した方が良い
- PERが低く割安だといって、株価が上がるとは限らない
- 逆も然りで、PERが高く割高でも株価は大きく上がる可能性はある
私のシンプルなPERの使い方
上では競合会社との比較により、割高か割安か判断する方法を紹介しましたが、
「その過程が面倒だ」
と思う方もいるかと思ったので、プラスで私が実践しているPERの使い方を紹介します。
それはPERが100以上の株は避けるです。
シンプルなのでこれなら誰でもできますね。
PERはセクター毎に大きく変わる場合がありますが、PER100はいずれにせよ、かなりの割高水準です。
こういう株は市場の暴落時に、他の株に比べより強く下落することが多いです。
なので、PER100を超える極端に割高な株には手を出さないのが賢明の判断に思えます。
まとめ
本記事では、PERの数値を競合会社で比較して割高度を分析する方法を紹介しました。
この方法であれば、PERの適正な目安が分からずとも、株の割高度を測ることができます。
もし同業種のいくつかの企業の株の選定で悩んでいるときは、判断材料の一つとして取り入れてみて下さい。