コラム

【米国株IPOを買うな】は本当なのか

 

米国株についての本をこれまで読んできて、私が気づいたアメリカの著名投資家が声を揃えて言うことの一つを紹介します。

それが

「IPO株には投資をするな」

です。

なぜならIPOの株の特徴として以下のようなことが挙げられるからです。

  • 加熱気味になるので高値になりやすい
  • 歴史的にインデックス指標と比較してパフォーマンスが悪い
  • 値動きが荒いので損をしやすい

 

ですが私が読んできた本の多くは初版が20世紀に出版されたものが多く、インデックス指標と比較してパフォーマンスが悪いとされていたIPO株の過去の常識は未だ通じるのか懐疑的ではありました。

そこで本記事では2017年と2018年に上場した大型IPOベスト10をそれぞれVOO(S&P500指数)と比較して検証することにしました。

2017年度のパフォーマンス比較

まず初めに2017年度に上場した大型IPOベスト10とVOOを比較したグラフを見ていきましょう。

一部上場廃止した企業がありましたので、それらを除いてのトップ10になります。

グラフを見てみるとVOOが75.08%上昇している間で、IPO株の大型トップ10は平均で438.2%のパフォーマンスを上げていることがわかりました。

今回の比較ではCVNAが2300%以上のパフォーマンスを上げており、平均が大きく持ち上がってしまっていますが、CVNA抜きでも230%とVOOを大きく上回っています。

結果として2017年度はIPO株の大勝利です。

2018年度のパフォーマンスの比較

上と同じような方法で2018年度の比較をしていきます。

結果は以下のようになりました。

VOOが61.82%のパフォーマンスを上げている間、大型IPOのトップ10の平均は41.5%に留まり2018年度はVOOの方が20%パフォーマンスが高い結果に終わりました。

年度によって大きくばらつきがあるのがIPO株の特徴ですね。

まとめ

多くのアメリカの著名投資家はIPO株には投資しないほうが良いとアドバイスしていましたが、2017年度に上場したIPO株のように大きくリターンをあげられるケースもあるので、昨今では一概にも投資しない方がいいとも言えなさそうです。

ただ今回私が検証できたのは2年分のデータのみなので、長いスパンで見ればIPO株の方が低い傾向にある可能性は否めません。

いずれにせよ、IPO株のように3年間で200%を超えるリターンはダウ指数やS&P500では得ることの難しい領域なので、平凡な利益よりも爆益を目指している方にとっては魅力的な投資対象になり得るかもしれません。

 

なお、私がIPO銘柄だけをかき集めたETFはないかと調べてみたところ、IPOというETFが存在することがわかりました。

個別株は少し怖くて手を出しづらくともETFでなら投資しやすいですね。

興味のある方は是非一度調べてみてください。

私は安易にIPO株には手を出さずに、過去の先人達に従い無難にVOOを買う派ではありますが…

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