本記事ではこの事実が本当かどうかを明らかにし、彼らの投資スタンスを真似た気絶投資法について解説します。
亡くなった人がベストリターンを叩き出した事実
2014年、アメリカの資産運用会社のフィデリティ・インベストメンツは「フィデリティに口座を持っているどの投資家が最も優れていたか」を独自でリサーチしました。
その結果、1993年から2013年までの20年間で最も成果を上げた投資家は亡くなった人と口座を持っていることを忘れていた人だそうです。
また、同記事の説明によると、なぜこのような結果になってしまうかについて私たちの心が不利に働くという事実に帰着すると述べています。
これはバリューが高い時に買いを入れたり、市場が急落した時に狼狽売りをしたりと、感情に左右され正しい投資判断ができない投資家が多いことを指しているのでしょう。
平均的な投資家のパフォーマンスはひどいものだった
Richard Bernstein Advisorsは同期間における平均的な投資家のパフォーマンスと各資産クラスのリターン比較し、どれだけ乏しかったかを棒グラフで示しました。
以下がそのデータで、赤色のグラフが平均的な投資家を表しています。

グラフを見るとわかる通り、平均的な投資家のパフォーマンスはコモディティ、債券、不動産、ヨーロッパなどの殆どの投資先よりも優れない結果であったことが分かります。
つまり、投資家の大半は感情に揺さぶられたり投資先の対象を誤ったりと大失敗していることになります。
本題に戻りますが、投資家の中で一番成功した人の特徴は
- 亡くなっている
- 口座の存在を忘れていた
の二つです。
そう考えれば、彼らの投資スタンスを真似てみるのは合理的なように思えます。
そこで本記事では気絶投資法という投資手法をご紹介します。
気絶投資法とは

気絶投資法は株価の値動きや市場の動向など見ずにひたすら株を買ったら放置する投資方法です。
この投資方法を用いることで、感情的に売りたくなってしまう局面でも株式を保有し続けることができます。
これで亡くなった人や口座の存在を忘れている人のような状況に擬似化できるわけです。
メリット
気絶投資法には以下のような様々なメリットが存在します。
- 誰でもできて楽である
- 複利の恩恵を預かれる
- 取引コストを抑えられる
- 市場に感情を左右されない
一つ一つ簡単に触れていきますね。
誰でもできて楽である
気絶投資法は一度買った株式は保有するだけと究極にシンプルな投資スタンスです。
なのでテクニカル分析のようにチャートを駆使して売買のタイミングを探ったりする必要はなく、誰でも実践可能です。
複利の恩恵を預かれる
株式を長期保有することにより、複利による大きなリターンを狙うことができます。
例え最初は少額の資産であっても、利益が幾度も積み重なり数十年後には大きな資産となります。
取引コストを抑えられる
国内のメジャー証券会社で米国株を取引しようとすると、約定金額の約0.5%の手数料が発生します。
仮に100万円分の株を売買したとしたら、毎回手数料は5000円くらいになるので結構馬鹿になりません。
気絶投資法なら一度買ったら放置なので、取引コストを抑えられるのは明確ですよね。
市場に感情を左右されない
気絶することによって、市場がどう動こうと感情に左右され取引することはありません。
私たちが思っている以上に正確な投資判断は難しく、大抵の投資家は失敗に終わり、気絶してれば出せた利益も逃してしまうのです。
気絶投資法のやり方

方法は上でも既に述べたように、買った株を売らずにひたすら放置し続けるだけです。
買い方については、各証券会社の米国株定期買付サービスを利用するのが得策でしょう。
私はSBI証券でしています。
証券会社にお金さえ入れておけばログインせずとも勝手に積立してくれるので、後は気絶してればOKです。
至ってシンプルではありますが、毎日株価を眺めているような方だと意外と簡単ではないかもしれません。
そこで一つ効果的な方法をご紹介します。
実践するコツ
一番効果的な方法は株式や資産運用アプリを削除することです。
アプリをスマフォに入れていると、簡単に資産額の推移が見れたり、取引できたりと便利ではありますが、気絶投資法を実践するには妨げになります。
例えば、保有資産が毎日値下がりする日々が続いた場合、何気なくアプリで運用資産を見てしまうことによって損切りする思考がよぎるかもしれません。
なので、なるべく自分の資産に簡単にアクセスできないような環境を整えるのが気絶投資法を実践するコツです。
気絶投資法の注意点
気絶投資法を実践するにあたり、重要な注意点が一つあります。
それは銘柄選定です。
銘柄選定を誤ってしまうと、気絶している間に資産を増やすどころが、奈落の底に落ちてしまう可能性があります。
なので、投資先は個別株ではなく、歴史的に株価が上昇している全米株式指数やS&P500連動のETFや投資信託がおすすめです。
下に全米株式とS&P500に投資できるETFと投資信託をまとめましたので、参考にしてみてください。
- VOO
- VTI
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
まとめ
フィデリティ・インベストベンツのリサーチによると、特定の20年間で一番利益を上げれた投資家の特徴が
- 亡くなっている
- 口座の存在を忘れている
であることが分かりました。
多くの投資家が彼らに勝てなかったという事実を考えれば、気絶投資法を真似してみるのは十分理にかなっているのではないでしょうか。
なお、気絶投資法を実践してみたいと思った方にはウォール街のランダム・ウォーカーという著書がおすすめです。
こちらはプロの投資家でも市場の平均に勝てないことをデータを用いて明らかにし、インデックス投資の魅力を教えてくれる書籍です。
この機会にあなたも気絶投資法とインデックス投資を組み合わせ、プロの投資家にも勝てる投資戦術を取り入れてみてはいかがですか?