皆さんはコロナショック後から僅か10ヶ月間で株価が2倍にもなっている、米国の小型株に分散投資しているVTWOというETFをご存知ですか?
多くの投資家達が米国の代表的な指数のS&P500指数に連動したVOOや、米国株式市場全体をカバーしているVTIなどに注目している中、VTWOに目を向ける方は少ないかも知れません。
そこで本記事では、
構成銘柄を含むVTWOの解説
株価とパフォーマンス
経費率と配当利回り
以上に焦点を置きながら解説していきます。
VTWOとは
VTWOはバンガード社が運用している、米国の代表的な小型株指数のラッセル2000に連動したETFです。
VTWOの特徴はなんといっても、アップルやマイクロソフトといった大型株と呼ばれるものは含まれておらず、時価総額1001〜3000位の銘柄、つまり小型株に分散投資していることです。
通常、小型株は比較的規模が小さな企業なのでボラティリティが高く、大幅な上昇が見込める反面、業績が奮わず、株価が暴落する企業も少なくないのが特徴で、個別の小型株で大きな利益を得るのは至難の技です。
しかしVTWOではETF一本でリスクを分散できるので、外れ銘柄のみを掴むリスクはなくなり、大きく上昇した銘柄の恩恵を受けることができます。
という投資家の痒いところに手が届くようにできているのが、本記事で紹介しているVTWOというわけです。
構成銘柄
ではVTWOの構成銘柄を見ていきましょう。
保有銘柄上位一位に、ホテルやカジノなどを運営しているシーザーズ・エンターテインメント、二位にカジノやリバーボート、そして競馬場などを運営しているペン・ナショナル・ゲーミング、三位に車やフォークリフトのバッテリーとして使われる水素燃料電池の開発に努めているプラグ・パワーと続きます。

驚くことに、コロナショック後から僅か10ヶ月の間に、VTWOの保有銘柄の一位のシーザーズ・エンターテインメントの株価は11倍、二位のペン・ナショナル・ゲーミングは21倍、三位のプラグ・パワーは13倍に急上昇しています。
聞いたことすらない企業がVTWOの組入銘柄上位に名を連ねていることを考えれば、これらの企業の恩恵を受けるにはVTWOに投資するのが簡単であり、得策かと思います。
株価とパフォーマンス
ではVTWOの株価とパフォーマンスを5年足で見ていきましょう。

5年前の株価は80ドル前後だったので、コロナショック後の株価とほぼ変わらないことになりますが、それ以降は冒頭でも述べたように、10ヶ月の間に2倍と急上昇しており、小型株の勢いが例年より増していることがわかります。
では投資家に人気を博しているVOOと、前者に比べニッチなVTWOのパフォーマンスを比較したらどうなるか?
一年足で比較してみましょう。

結果として一年の間に、VOOが17.6%、VTWOが26.3%のパフォーマンスを上げ、VTWOの方が現状は優れていることがわかりました。
コロナショック前は両者ほぼ同水準でしたが、それ以降は小規模の企業の方が影響を大きく受けたこともあり、VTWOがVOOを下回る日が続きましたが、昨年末から一気に追い上げています。
今後はどちらが勝るかは分かりませんが、私は大きく上昇するポテンシャルを秘めているVTWOを支持してみたいと思います。
経費率と配当利回り
ETFに投資するにあたり、重要な経費率と配当利回りについて表にまとめました。
2021/1/11 | VTWO |
経費率%(年) | 0.10 |
配当利回り% | 0.92 |
小型株ということだったので、経費率は高いかと思っていましたが、0.10%とかなり低い部類に入ります。
流石、経費率の低さで定評のあるバンガード社ですね。
配当利回りについては0.92%と若干低めの印象を受けますが、そこは値上がり益でカバーしていきたいところです。
まとめ
本記事では米国の代表的な指数の一つ、ラッセル2000に連動しているVTWOについてまとめました。
VTWOはコロナショック後に既に株価は2倍になっていることもあり、巷では隠れた人気のETFとなっています。
米国の代表的なS&P500指数に連動したVOOや、米国株式市場全体をカバーしたVTIなどのメジャーなETFではなく、VTWOのような一風変わった小型株に分散投資しているETFをあなたのポートフォリオに組み入れてみてはいかがですか?
