「高配当、かつ増配を長年に渡って継続している企業にまとめて投資したいと思ったことはありませんか?」
それならSDYというETFがピッタリかもしれません。
本記事では
- SDYの概要
- 構成銘柄
- セクター
- 株価
- 経費と配当利回り
について解説していきますね。
SDYについて
SDYは25年以上増配を続けている銘柄で構成されている、S&P500配当貴族指数に連動した値動きを目指すETFです。
高配当銘柄をただかき集めただけではなく、増配率に比重を置いているのが特徴的です。
S&P500配当貴族指数とは、25年以上増配を続けている大型優良企業の株の値動きに連動する指数です。
構成銘柄
SDYの構成銘柄の上位10銘柄とそれぞれの増配年数を見ていきましょう。
銘柄名 | 連続増配年数(2021年9月時) |
---|---|
AT&T(T) | 36 |
Exxon Mobil | 38 |
Chevron | 34 |
People’s United Financial | 29 |
International Business Machines | 26 |
Amcor PLC | 38 |
Consolidated Edison | 47 |
AbbVie | 49 |
South Jersey Industries | 22 |
Realty Income | 28 |
AT&T、エクソンモービル、そしてシェブロンといった人気のある大手企業の配当株を始めとした構成となっています。
大手、かつ増配を長年継続している企業に分散投資しているので、リスクを抑えつつ高配当銘柄にまとめて投資できるのがポイントです。
セクターについて
SDYの構成銘柄は特に
- 金融
- 生活必需品
- 資本財・サービス
- 公益事業
の4つに比重を多く置いていて、成長率の高いハイテク株やハイグロース株がない代わりに、保守的な配分になっています。

SDYの株価値動き
SDYは直近5年間でどのくらいの上昇をしているのでしょうか。
今回はSDYのパフォーマンスをS&P500指数連動のVOOと比較しましたので、下のグラフをご覧ください。

SDYは5年間で40%ほどしか利益を出せていない中、同期間でVOOは100%以上の上昇をしています。
過去のパフォーマンスから言うと、無難にVOOに投資していた方が2倍以上の利益を得ていたことにはなりますね。
歴史的に配当株よりグロース株の方がパフォーマンスに長けていることを考えれば、配当重視のSDYが劣ってしまうのは仕方ないのかなと思います。
他の高配当ETFとの比較
SDYは20年以上増配を続けている企業のみで構成されたETFですが、増配継続年数関係なしで構成された高配当ETFとのパフォーマンスはどれくらい変わってくるのでしょうか?
今回は5年足でVYMという高配当大型株で構成されたETFと比較してみます。

結果SDYが40%、VYMが44%と、パフォーマンスにおいてはほぼ誤差であることがわかりました。
増配継続年数を意識しているからといっても、他の配当株ETFと大差はないかもしれません。
経費率と配当利回り
最後にSDYの経費率と配当利回りを確認していきましょう。
今回も同じく、他の高配当ETFのVYMと比較を行なっていきます。
2021年9月 | SDY | VYM |
配当利回り | 2.65 | 2.79 |
経費率 | 0.35 | 0.06 |
比較してみた結果、両者の配当利回りは同等程度でしたが、SDYの方が運用コストが高いことがわかりました。
パフォーマンスもVYMと大差ないことを考えると、ETFに投資する上では増配率はあまり意識せずに、経費率の低い高配当ETFに投資した方が報われるのでは。といった印象です。
なおVYMについては過去記事で解説しています。

まとめ
本記事で解説したSDYの特徴を下にまとめました。
- 25年以上増配を続けている企業の銘柄のみで構成されている
- S&P500配当貴族指数に連動したパフォーマンスを目指している
- セクターは金融、生活必需品、資本財・サービス、公益事業が比重多め
- 配当利回りが高いが、運用コストがやや高め
SDYは増配継続年数が25年以上の銘柄で構成されているといった、他にあまりない特徴を持っているETFです。
ただ、パフォーマンスにおいてVOOに大きく劣っていたり、経費率がより低いVYMとパフォーマンスに大差がなかったりと、魅力に少し欠けるETFかなと個人的に思っています。
なのでSDYに投資する際は、このことを念頭に置いておきましょう。
本記事が参考になりましたら幸いです。