今までに株式だけでなく、債券へ投資することを考えたことはありませんか?
多くの人が米国の株式のみに注目していて、債券への投資を考えている人は株式と比較して少ないように感じます。
実は債券をあなたのポートフォリオへ組み込むことはリスクヘッジ(リスクを減らす)の役割があります。
その理由として、
株式に比べるとボラティリティ(変動性)が低いこと
株式市場の動きで値動きが上下するわけではなく、金利によるもの
といったことが挙げられます。
簡単にまとめてしまうと、低リターンの代わりに株式より低リスクで運用することができることが特徴です。
そこで本記事では、ETF一本で米国債券に投資できるBNDについて紹介していきます。
BNDとは
BNDはバンガード 社が販売している米国債券に分散投資しているETFです。
ポートフォリオの60%以上が一番信用リスクの高い米国政府の債券が占めており、残りが米国政府の債券より信用リスクの低い債券で構成されています。

債券は種類によって格付けされていて、ランクがa→bになるほどリスクが高くなりますが、その分利回りが高くなっているのが特徴です。
BNDはそれらに分散投資していることで、低リターンの国債だけへの投資よりもやや高めのリターンが望めるようになります。
BNDの値動き
債券は株式市場の大幅下落にも対応できるように、安全資産として買われることが多いです。
株式は株式市場が大幅に下落した場合、その分損失を被ることになりますが、債券は株式ほど影響を受けることは少ないです。

例えば、NYダウ指数とBNDを比較した時、NYダウは3月のコロナショックにより大きく下落した一方、BNDはほぼ影響を受けていないことがわかります。
これは債券の価格が金利によって変動するからであって、株価に連動しているわけではないからです。
金利が上がれば債券価格が下がり、金利が下がれば債券価格が上がる、シーソーのような関係になっています。
なので米国の長期金利の動向次第で債券の価格、つまりはBNDの株価が上下することになります。
どうやってBNDから利益を得るか?
BNDへの投資では主にキャピタルゲイン(売却益)ではなくインカムゲイン(配当等)で利益を得ます。
なのでリスクを減らす分、両方得られる可能性のある株式投資よりローリターンになります。
株式投資ではハイリターン&ハイリスク、米国債権への投資ではローリターン&ローリスクといった具合です。
BNDの利回りは、設定来から平均で4%ほどとなっており、100万円投資していれば、翌年には104万円になっている計算です。(税金は加味しない)

配当利回りと経費について
以下表にまとめました。
2021/2 | BND |
配当利回り(%) | 2.20 |
経費率(%) | 0.035 |
配当利回りについては2.20%と高利回りで、経費率は年で0.035%と最安クラスとなっている為、長期運用に向いてます。
BNDへ投資するメリット
米国債券(BND)へ投資するメリットをまとめました。
- 株式だけではなくBNDをポートフォリオに取り入れることによって、株式市場の大幅な下落に対するリスクヘッジができる
- BNDは毎月配当が分配される
- 債券は通常、満期を迎えるまで売却できないが、ETFなので好きなタイミングで売買ができる
- ETF一本で米国の債券に分散投資できる
BNDへ投資する際の注意点
いくつか注意点がありますので以下にまとめました。
低金利時の債券投資はあまりおすすめできない
低金利時にBNDへの投資を始めてしまうと、リターンが報われない結果になる可能性が高いです。
まず一つ目に、低金利なので配当金が低いです。
BNDでの利益は主に配当金になってきますので、金利が低ければ投資するメリットは少ないです。
二つ目は、金利が上昇していく相場の場合、BNDの価格が下がって元本が割れるケースが出てくることです。
いくら配当金で利益を得ても、金利がひたすら上昇傾向にあればリターンはマイナスになってしまう可能性があります。
インフレの懸念
もう一つの注意点がインフレによる物価上昇です。
例えばBNDへの投資でリターンが平均で4%見込めると仮定し、アメリカのインフレ率は2%だとすれば、実質リターンは2%だけになります。
つまり、インフレ率が高かったり、BNDでの利回りが悪ければ、投資しても殆ど利益になっていないということです。
なのでBNDへの投資はタイミングが重要だと私は考えてます。
調べたところ、直近10年間のアメリカのインフレ率の平均は1.65%でした。
まとめ
債券(BND)はボラティリティが低く、比較的安定した配当益を得られる為、ディフェンシブな投資スタイルの方、又は保有資産の変動を抑えたい高齢の方などにおすすめです。
人間の本能上、利益ばかりを追求し、つい高利回りの株などに走ってしまいがちですが、たまにはじっくり腰を据えて債券へ投資してみるのも良いと思います。
100%株式だけのハイリスクな運用をしていて、「株価が気になって夜も眠れない」なんて方はBNDへの投資であなたの資産をリスクヘッジしてみてはいかがですか。
