2020年のコロナショックで一番影響を受けたであろう航空株。
下落幅が大きかっただけに、持ち直しを期待したいですよね。
2021年に入ってからはワクチン接種者が増加したこともあり、2021年の12月をピークに感染者数は急激な減少傾向にあります。

そこで、今後を見据えてどの航空株に投資するべきか私なりに様々な観点から検討し、結論をまとめました。
まだ終息までは時間はかかると思われますが、タイミングを見計らって航空株へ投資を考えている方の参考になればと思います。
本記事では
アメリカの大手航空会社4社のサウスウエスト航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空の財務健全性の比較
各社の営業利益率と割安度の比較
投資するならどの航空会社の株がおすすめか?
以上に焦点を置き、大手航空会社4社を比較しながら解説していきます。
大手航空会社4社の財務健全性を比較する
コロナで窮地に立たされている企業も少なくない中、特に航空会社は莫大な影響を受け、2020年には多額の赤字を計上してしまいました。
そのような企業に投資するにあたりまず大切なことは、財務健全性を調べることだと思います。
投資先の企業がもし倒産でもしてしまったら、元も子もないからです。(アメリカの大手航空会社なので、増資なりして最悪なケースは免れると思われますが)
そこで、4社の当座比率と負債比率を表にまとめてみます。
当座比率とは、一年以内に流動化できる資産から棚卸資産を引いたものと、一年以内に支払わなければならない負債の比率を表す財務指標の一つで、1を上回るほど負債より資産の割合が高くなり、財務健全性が高いとされます。
負債比率は資本に対してどれだけ負債を負っているか示す指標です。数値が低いほど負債の割合が少なくなります。
2020年度末 | サウスウエスト | デルタ | ユナイテッド | アメリカン |
当座比率 | 1.97 | 1.05 | 1.09 | 0.57 |
負債比率 | 1.16 | 19.0 | 4.49 | 債務超過 |
表にまとめてみたところ、サウスウエスト航空が当座比率が高く、負債比率が低いことから一番財務健全性が高いことがわかりました。
- サウスウエスト航空
- ユナイテッド航空
- デルタ航空
- アメリカン航空
デルタ航空とユナイテッド航空は負債比率は高めなものも、当座比率は1以上あるので、1年間での経営に十分な資金は残っていると考えられます。
対してアメリカン航空は資本がマイナスになっていることから、債務超過で、アメリカの大手航空会社の中では一番リスクのある投資先になると私は思います。
なのでこの章の結論として、財務健全性を考慮しての投資の場合、アメリカン航空を除いた3社が適当になります。
デルタ航空とユナイテッド航空の負債比率はいずれも高めで、財務健全性が高いとは言いづらいですが、今回はコロナで打撃を受けた航空株での比較なので、その点は許容しています。
各社の営業利益率を比較

営業利益率とは、簡単にいえば、売上高に対してどれだけ利益を出せているかという指標です。
財務指標の健全性だけでどの航空株を買うか決断するのは考えが浅いと思ったので、各社のコロナショック前の営業利益率を比較します。
利益は最終的に株価に直結する大事な要素なので、ここでチェックしていきましょう。
2019/12 | サウスウエスト | デルタ | ユナイテッド | アメリカン |
営業利益率(%) | 13.18 | 14.08 | 9.94 | 6.70 |
各社の営業利益率をまとめてみたところ、デルタ航空が同業種でも一番高いことがわかりました。
サウスウエスト航空は財務健全性が良好なだけでなく、営業利益率も他社と比較して高水準ですね。
- デルタ航空
- サウスウエスト航空
- ユナイテッド航空
- アメリカン航空
割安度は?
上では財務健全性と営業利益率を比較してきましたが、最後に各社の割安度を調べていきます。
よく株価の割安度を測るのに使われるPERは赤字企業には使えない為、今回は時価総額を年間売上高で割って算出されるPSRを用い比較します。
PSRは数値が高いほど割高になります。
2021/2 | サウスウエスト | デルタ | ユナイテッド | アメリカン |
PSR | 3.18 | 1.70 | 0.84 | 0.50 |
表にまとめてみた結果、先ほど財務健全性が一番高いと分かったサウスウエスト航空が割高で、アメリカン航空が割安だということがわかりました。
そして、2番目に財務健全性の高かったユナイテッド航空は、アメリカン航空に継ぐ割安株であることもわかりました。
- アメリカン航空
- ユナイテッド航空
- デルタ航空
- サウスウエスト航空
どの航空株がおすすめ?
結論から述べると、私はユナイテッド航空がおすすめです。
理由は、今回比較した4社の中で2番目の財務健全性の高さを持ちながら、営業利益率もそこそこ高く、割安度も2番目となっているからです。
サウスウエスト航空は財務健全性こそ高いものも、株価が既に割高水準なので、V字回復を狙うのにはあまり適していないように見えますが、一番投資先としては堅い印象です。
サウスウエスト航空の特徴として、国内線の割合が高いので、他の航空会社に比べ、立ち直りの早さに期待したいですね。
まとめ
本記事では各航空会社の財務健全性と割安度を比較し、ユナイテッド航空がおすすめだと結論を出しましたが、
「他の航空株はダメなのか?」
と疑問を抱える方もいると思いますので、各航空株のおすすめな人の特徴についてまとめました。
サウスウエスト航空 → 割高でも財務健全性が高く、営業利益率も高い、比較的安定した航空株に投資したい
デルタ航空 → 財務健全性はやや低めだが、営業利益率が高いので、今後の立ち直りに期待したい
ユナイテッド航空 → 財務健全性がある程度高く、未だ割安な航空株を狙いたい
アメリカン航空 → リスクは高めだが、財務健全性など気にせずに、一番割安な航空株を狙ってV字回復を狙いたい
リスクを考え、あなたの希望にあった航空株を選びましょう。
なお、航空株を取引するならDMM 株がおすすめです。
DMM 株は配当金に高めの手数料がかかるデメリットがありますが、取引手数料がかからないメリットがあります。
なので、配当金を出していない航空株なら他証券会社よりお得に取引できますよ。
以下の記事では、世界の航空株に分散投資しているJETSについて解説しているので、興味のある方は合わせてご覧ください。

以下の記事では、同じくコロナで大打撃を受けたクルーズ株3社について比較しています。
